離婚の方法・種類
離婚の方法として、大きく分けますと、
①協議離婚、② 調停離婚、③ 判決離婚の三つがあります。
それ以外にも、④ 審判離婚、⑤ 和解離婚、⑥ 認諾離婚があります。
協議離婚
協議離婚は、当事者である夫婦が話し合い(協議)により離婚する方法です(弁護士が一方の当事者の代理人として他方の当事者と協議することもあります)。
協議離婚は、離婚の大半がこの方法で行われています。子供の親権者、養育費、夫婦で形成した財産の分け方、慰謝料、子との面会交流など離婚に関する条件について夫婦が話し合い、合意ができて離婚届出をするのが一般的です。
離婚に関する条件を口約束だけにしておくと、その条件が守られなかったり、条件があいまいだったりして、後々のトラブルの原因になりかねません。そこで、離婚に関する条件は文書としてまとめて、当事者双方が署名・押印したものを二通作成し、それぞれが各一通を保有することが大切です。
金銭支払の内容があるときは、できるだけ強制執行認諾付きの公正証書にしておくと、金銭支払の不履行があった場合、訴訟をしなくても直ちに相手方の給料や財産につき強制執行が可能となり便宜です。
調停離婚
調停離婚は、協議離婚の方法では、離婚の合意ができなかったり、離婚には合意できても、親権や慰謝料など離婚に関する条件で合意ができないときに利用する方法です。
当事者の一方が相手方の居住する地域を管轄する家庭裁判所に、離婚調停の申立書を提出します。通常は、1か月程先の日に第1回目の調停を行う日時(これを「調停期日」といいます。)を決めてくれます。男女2人の調停委員が担当し、まず、申立人から話を聞いてくれます。入れ替わって相手方からも話を聞くことになります。そうして、離婚について双方が合意できるのか否か、合意できるとしても離婚の条件について合意できるのかについて、双方の意見を聞いたり、資料提出を求めたりして、調整してくれるのが一般的です。
離婚自体が合意できないときや、離婚自体は合意できても、離婚の条件(親権者、養育費、財産分与、慰謝料、子との面会交流等)について合意できないときは調停不成立となることが大半です。
離婚も離婚の条件も合意できれば、調停成立となり、家庭裁判所が合意内容を記載した調停調書を作成してくれます。金銭の支払の条項が入いると判決と同様の効力があり、違反すれば強制執行が可能になります。
調停不成立で終わりますと、離婚を求める当事者は、離婚訴訟を提起する方法があります。
判決離婚
判決離婚は、調停手続でも離婚の合意ができなかったときに、離婚訴訟を行って、家庭裁判所が行った離婚判決が確定することにより離婚の成立を認めるものです。
もっとも、離婚訴訟を行っても、判決に至る前に、当事者双方が離婚に合意して和解が成立したことをもって離婚の成立を認める「和解離婚」、被告が離婚請求を認めることをもって離婚の成立を認める「認諾離婚」というものもあります。
離婚訴訟では、「裁判上の離婚原因」の有無が証拠等によって審理され、離婚 原因が認定されると離婚判決が下されます。この「裁判上の離婚原因」としては、① 不貞行為、② 悪意の遺棄、③ 3年以上の生死不明、④ 回復の見込みのない強度の精神病、⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由が民法で定められています。
離婚訴訟においても、親権者の指定、養育費、財産分与、面会交流、年金分割等の判断を求めることもできます(これを附帯処分の申立てといいます。)。